SEOにおいて、重要な役割を担うのがキーワード戦略です。中でも「ロングテールキーワード」はWebサイトの成長を加速させるための強力な武器といえます。
ロングテールキーワードとは、3語以上の単語で構成される、具体的な検索意図を表すキーワードのこと。一般的なキーワードと比較して検索ボリュームは少ないものの、ユーザーのニーズを的確に捉え、コンバージョンに繋がりやすい特徴があります。
本記事では、ロングテールキーワードの定義からメリット・デメリット、選定方法、そして活用における注意点まで詳しく解説いたします。具体例を交えながら分かりやすく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
【この記事でわかること】
目次
ロングテールキーワードとは、3語以上の単語で構成され、月間検索ボリュームが500~1,000以下の小さいキーワードのことです。例えば、「SEO」のような短いキーワード(ビッグキーワード)に対して、「SEO 初心者 ブログ」のような複合キーワードがロングテールキーワードに当たります。
ロングテールキーワードは、ビッグキーワードと比べて検索ボリュームが少ないものの、競合性が低く、検索上位を狙いやすいことがメリットです。加えて、ユーザーの検索意図をより明確に反映している点も特徴です。
例えば、「SEO」と検索するユーザーは、SEOについて広く知りたいと考えている段階かもしれません。一方、「SEO 初心者 ブログ」と検索するユーザーは、ブログでSEOを始めたいと考えている初心者であり、より具体的な情報を探している可能性が高くなります。
このように、ロングテールキーワードで検索するユーザーは、ニーズが明確で購買意欲が高い傾向があります。そのため適切に活用することで、Webサイトへのアクセス増加だけでなく、コンバージョン率の向上にも繋がる可能性があります。
次の章からは、ロングテールキーワードのメリットとデメリット、選定方法について詳しく解説していきます。
ロングテールキーワードをSEOに活用することで、以下のようなメリットがあります。
それぞれ詳しく解説します。
ロングテールキーワードは、ビッグキーワードと比べて検索ボリュームが少ないため、競合サイトも少ない傾向があります。そのため、Webサイトのドメインパワーが低い場合でも、上位表示を狙いやすいメリットがあります。
特に、立ち上げたばかりのWebサイトや、まだコンテンツが少ないWebサイトでは、ロングテールキーワードからSEOを始めるのがおすすめです。
また、複数のワードを組み合わせるため、キーワードのバリエーションが豊富で競合が見つけていないキーワードを見つけることも可能。そのため競合よりも早く、新しいキーワードを対策できる点もメリットです。
ドメインパワーについては、下記記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
ドメインパワーとは?SEO効果を得るための具体的な施策を紹介>>
ロングテールキーワードは、ユーザーの検索意図をより明確に反映しています。そのため、ロングテールキーワードを基に記事を作成することで、ユーザーのニーズに合致したコンテンツを作成しやすくなります。
例えば、「ダイエット」というビッグキーワードでは、ダイエットの方法を知りたいのか、ダイエット食を探したいのかなど、ユーザーの検索意図が曖昧です。
しかし、「20代 女性 ダイエット 食事」というキーワードであれば、20代女性で食事制限によるダイエット方法を調べたいという具体的な検索意図が読み取れます。
このように、ロングテールキーワードを意識することで、ユーザーが求める情報をピンポイントで提供できます。そのため初心者でも、ユーザーを満足させる記事を作成できるようになります。
検索意図については、下記記事でも詳しく解説しています。
検索意図とは?SEO対策における重要性から調べ方・活用方法まで解説>>
ロングテールキーワードは、ユーザーのニーズが明確で購買意欲が高い傾向があります。そのため、ロングテールキーワードで上位表示できれば、コンバージョン率の向上に繋がりやすくなります。
例えば、「化粧水」というビッグキーワードで検索するユーザーは、まだ具体的な商品を決めていない段階かもしれません。しかし、「敏感肌 化粧水 保湿 美白」というキーワードで検索するユーザーは、敏感肌向けの保湿・美白効果のある化粧水というニーズが明確で、購入する可能性が高いと考えられます。
近年、スマートスピーカーの普及などにより、音声検索を利用するユーザーが増加しています。音声検索では、「近くのイタリアンレストラン」や「明日の天気は?」のように、会話調で長いキーワードが使われる傾向があります。
一方で、単語であるビッグキーワードは検索されにくくなります。ロングテールキーワードでSEOを行うことは、音声検索からの流入増加にも繋がります。
ロングテールキーワードで上位表示された記事は、ビッグキーワードでの上位表示にも貢献します。
Googleは、関連性の高いコンテンツを評価する傾向があります。そのため、ロングテールキーワードで作成したコンテンツをビッグキーワードで作成したコンテンツに内部リンクで繋げることで、ビッグキーワードのコンテンツの評価を高めることができるのです。
ロングテールキーワードは、SEOにおいて多くのメリットをもたらしますが、一方でデメリットも存在します。主なデメリットとして、以下の2点が挙げられます。
ロングテールキーワードはこれらのデメリットがあります。しかし、記事を作成し続けることで成果につながる可能性が高くなるため、理解して地道に続けることも重要です。デメリットについて、詳しく見ていきましょう。
ロングテールキーワードは、ビッグキーワードと比べて検索ボリュームが非常に少なくなります。そのため、上位表示されたとしても、ビッグキーワードのように大量のアクセスを獲得することは難しいでしょう。
ロングテールキーワードは、ニッチなニーズを持つユーザーをターゲットとしているため、アクセス数が限られるのは当然と言えます。多くのアクセスを集めたい場合は、ビッグキーワードをメインにSEO戦略を立てる、記事数を増やすなどの対策が必要です。
ロングテールキーワードでSEOを行う場合は、複数のキーワードを組み合わせ、多くのコンテンツを作成していく必要があります。1つ1つのキーワードから得られるアクセスは少なく、大量のコンテンツを作成するには時間がかかります。そのため、ロングテールキーワードによるSEOの効果を実感するには、ある程度の時間と労力が必要です。
すぐに大きな成果を求める場合は、ロングテールキーワードだけでなく、ビッグキーワードやミドルキーワードも組み合わせたSEO戦略を検討する必要があるでしょう。
SEOに効果的なロングテールキーワードを選定するには、いくつかの手順を踏む必要があります。具体的な選定方法を、ステップごとに解説していきます。
具体的なキーワードの選定ステップ
まずは、Webサイトやコンテンツのテーマを表す検索ボリューム1万回以上のビッグキーワードを決めましょう。ビッグキーワードは、Webサイト全体の方向性を定める上で重要な役割を果たします。
例えば、化粧品販売サイトであれば「化粧水」「美容液」などがビッグキーワードです。ビッグキーワードが決まったら、それを基に関連するロングテールキーワードを検討していきます。
関連キーワードを効率的に収集するためには、ツールを活用するのがおすすめです。ここでは、代表的な4つのツールを紹介します。
Google検索は誰でも無料で利用できるツールです。Googleの検索窓にビッグキーワードを入力すると、検索結果ページの下部に「関連キーワード」が表示されます。
関連キーワードは、ユーザーが実際に検索しているキーワードであり、ユーザーの検索意図を知る上で役立つ情報源です。ユーザーのニーズに最適なロングテールキーワードを見つけるヒントになります。
Google Trendsは、キーワードの検索トレンドを分析できる無料ツールです。Googleで検索される人気ワードや、急上昇しているワードを調査できます。地域別の検索人気や関連キーワードなども調査できるため、ロングテールキーワードを見つけるために役立ちます。
例えば、「化粧水」の検索ボリュームの推移を調べると、いつ頃に検索されるのか、どの地域で検索されやすいのかがわかります。
Google キーワードプランナーは、Google広告のアカウントを取得すれば無料で利用できます。キーワードの検索ボリュームや競合性や関連キーワードを調査できます。「検索ボリュームと予測のデータを確認する」から調査したいキーワードを入力すると、各キーワードの検索ボリュームが表示されます。
Keywordmapは、キーワードの関係性をマップで可視化してくれるツールです。メインキーワードを入力すると、関連キーワードが自動的に抽出され、マップ上に表示されます。キーワード間の関連性が線で結ばれているため、キーワードの関係性を視覚的に把握できます。
また、各キーワードの検索ボリュームや競合性も表示されます。キーワード間の関連性を把握することで、新たなキーワードを発見するのに役立ちます。
収集したキーワードの検索ボリュームを調べましょう。検索ボリュームとは、そのキーワードが月に何回検索されているかを示す数値です。
検索ボリュームが多いキーワードほど、多くのユーザーに検索されています。ただし、検索ボリュームが多いキーワードは競合も多い傾向があるので、Webサイトのドメインパワーが低い場合は、検索ボリュームが少ないキーワードから狙うのがおすすめです。
キーワードを選定したら、検索意図に応じてグルーピングしましょう。グルーピングとは、複数のキーワードを共通のテーマや検索意図でまとめることです。
例えば、「化粧水 おすすめ」と「化粧水 人気ランキング」は、どちらも「おすすめの化粧水を知りたい」という共通の検索意図を持つキーワードのため、同じグループにまとめ、同じページで対策します。
検索意図が同じキーワードを別ページで対策すると、ページの内容が似てしまいます。似た内容のページは、Googleに重複コンテンツとしてペナルティの対象になる、カニバリによって評価が下がるなどの原因になることもあります。
キーワードをグルーピングすることで、このようなリスクを避けるだけでなく、コンテンツの内容を整理し、適切なサイト構造を作成することにも役立ちます。
最後に、グルーピングしたキーワードの中から、どのキーワードを優先的に対策していくか決めましょう。
キーワードの優先度は、検索ボリューム、競合性、コンバージョン率などを考慮して決定します。検索ボリュームは少ないものから始めるのがおすすめです。ただし、検索ボリューム0のキーワードは、全く検索されない可能性があるため注意しましょう。
競合性は上位10記事のコンテンツの質やページ数、運営情報などを調査し、自社サイトが上回る可能性があるかを判断します。また、コンバージョン率のしやすいキーワードから始めると成果が出やすいでしょう。Webサイトの目標や状況に合わせて、キーワードの優先度を決めることが大切です。
ロングテールキーワードを効果的に活用するには、キーワード選定だけでなく、コンテンツ作成や効果測定など、様々なポイントを押さえる必要があります。主なポイントは以下の3つです。
これらのポイントを踏まえて、ロングテールキーワードを活用することで、Webサイトへのアクセス増加、そしてコンバージョン率向上が見込めるでしょう。それぞれ解説します。
ロングテールキーワードは、ユーザーの具体的なニーズを表しています。そのため、そのキーワードで検索するユーザーが他にどんな情報を知りたいのかを想像することが重要です。
例えば、「犬 しつけ トイレ」というキーワードで検索するユーザーは、トイレのしつけ方だけでなく、犬の年齢や犬種に合わせたしつけ方、失敗した時の対処法など、関連情報も求めている可能性があります。
ユーザーの潜在ニーズを汲み取り、関連情報を網羅することで、ユーザーの満足度が上がり、Webサイトの評価向上に繋がります。
ロングテールキーワードでコンテンツを作成する場合、似たようなコンテンツが増えてしまう可能性があります。類似コンテンツが増えすぎると、Googleに重複コンテンツと判断されペナルティを受け、Webサイト全体の評価が下がることがあります。
類似コンテンツの量産を防ぐためには、事前にコンテンツ全体の構成を設計し、どのようなコンテンツを作成するか戦略を立てることが重要です。
記事を作成したら、終わりではありません。作成した記事が、狙い通りの効果を発揮しているか、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールなどを用いて効果測定を行いましょう。
アクセス数や直帰率、検索順位などを分析し、改善点を特定してリライトを繰り返すことで、よりSEOに強いコンテンツに育てていくことができます。
ロングテールキーワードとは、3語以上の単語で構成される長いキーワードのことです。ロングテールキーワードは、ビッグキーワードと比べて検索ボリュームは少ないのですが、上位表示を狙いやすく、コンバージョンに繋がりやすいメリットがあります。
一方で、大量のアクセスは見込めず、SEOの効果が出るまで時間がかかるデメリットもあります。効果的なロングテールキーワードを選定するには、ビッグキーワードを軸に関連キーワードを収集し、検索ボリュームや検索意図を考慮して絞り込む必要があります。
また、ユーザーの潜在ニーズを想像し、類似コンテンツの量産を防ぐなど、コンテンツ作成のポイントも重要です。当記事を参考に、ロングテールキーワードを戦略的に活用し、Webサイトへのアクセス増加、コンバージョン率向上を目指しましょう。