低品質コンテンツを放置すると、SEOへ大きな影響を与えます。しかし、「低品質コンテンツはどのようなコンテンツを指すのか」、「具体的にどのような影響を与えるのか」、疑問に思う方も多いでしょう。
この記事では、低品質コンテンツの定義から、サイトへ与える影響、具体的な対処法までわかりやすく解説します。
もし検索順位がなかなか上がらない、記事がいつまでたってもインデックスされないと悩んでいるなら、低品質コンテンツが原因かもしれません。
見分け方や、作成しないためのコツまで詳しく解説するので、SEOに悩んでいる方は参考にしてください。
【この記事でわかること】
目次
Googleは、ユーザーに価値を提供しないコンテンツを「低品質コンテンツ」と定義しています。具体的には、内容が薄いアフィリエイトページ、機械的に生成されたコンテンツ、過度な広告誘導、他サイトからの複製コンテンツなどが該当します。これらは、ユーザー体験を損なうとされ、検索順位に大きな影響を与える要因となっています。
以下に、Googleが定める低品質コンテンツの代表例と、それぞれの特徴を解説します。
ユーザーを特定のページや広告、アフィリエイトリンクへ誘導することだけを目的とし、ユーザーに価値ある情報を提供していないページを指します。これらのページは、地域名や特定のキーワードを大量に含めたテンプレートページとして作成されるケースが多く、特に、コンテンツよりも広告が目立つ構成や、過度な誘導文の使用が典型例とされます。誘導ページには、以下のような例があります。
Googleはこのようなページを「Doorway Pages(誘導ページ)」としてスパム認定し、検索結果から排除する対象としています。情報提供と収益化のバランスを適切に保つことを意識しましょう。
参考:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル | ドキュメント
AIツールや自動生成プログラムによって大量に作成されたコンテンツは、独自性や価値が低いとみなされます。特に、同じような内容を機械的に複製したり、人工的に作られた文章を大量に公開したりすることは、Googleの品質ガイドライン違反となるリスクがあります。
AIによる記事自動生成ツールを使用して作成されたコンテンツは、ユーザーにとって有益な情報とは言えません。そのため、独自の考察や経験を盛り込み、ユーザーにとって価値のある情報を提供することが重要です。
参考:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル | ドキュメント
アフィリエイト目的で作成されたページでありながら、独自の価値ある情報が不足しているサイトを指します。公式サイトの商品の基本情報を羅列するだけで、実際の使用感や比較、オリジナルの分析がないページは、ユーザーにとって有益とは言えません。
また、サイト全体がアフィリエイト報酬を目的とし、ユーザーへの情報提供よりも広告収益を優先している場合も評価が下がります。ただし、Googleはアフィリエイトサイト自体を否定しているわけではなく、独自の視点やデータを加え、ユーザーに価値を提供できるコンテンツであれば、高評価を得ることが可能です。単なる商品紹介にとどまらず、実際の使用感や比較データなどを盛り込み、ユーザーにとって有益な情報を提供しましょう。
参考:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル | ドキュメント
Googleは、コピーコンテンツや重複コンテンツを低品質と判断し、検索順位に悪影響を及ぼす可能性があります。他のサイトのコンテンツを許可なく転載したページや、機械翻訳や軽微な文言変更を加えただけのページは、オリジナル性がなく、検索エンジンから評価されにくくなります。
また、他サイトから自動的に情報を取得する「スクレイピング」によって生成されたコンテンツも、無断で使用すれば低品質と見なされる可能性があります。ただし、スクレイピング自体が問題なのではなく、取得した情報に独自の視点や付加価値を加えられているかが重要です。
例えば、ニュースや価格比較を行う「アグリゲーションサイト」は、複数の情報源からデータを集め、それを整理・分析することで、ユーザーにとって有益なコンテンツとして評価されています。単なるコピーや転載ではなく、オリジナルの解説や比較、ランキングなどを加え、独自の価値を提供すれば、高い評価を得ることもあります。
参考:Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー | Google 検索セントラル | ドキュメント
低品質コンテンツを放置するとSEOに以下のような影響を与えます。
特に、コアアップデート後は、コンテンツの質がより重要視される傾向にあるため早急な対策が必要です。それぞれ詳しく解説します。
低品質コンテンツが存在することで、サイト全体の信頼性が損なわれ、良質なコンテンツまでも検索順位が下がる可能性があります。これは「サイトワイドの品質評価」と呼ばれ、特定のページだけでなく、ドメイン全体の評価に影響を及ぼす現象です。特に、スパムのような低品質なコンテンツが増え続けると、Googleの評価が低下し、最悪の場合、検索結果からページやサイト自体が除外されるペナルティを受けることもあります。
ただし、低品質コンテンツを公開したからといって、すぐにペナルティが科されるわけではありません。Googleは2011年のパンダアップデートや、2022年のヘルプフルコンテンツアップデートを通じて、「低品質コンテンツは個別のページだけでなく、サイト全体のランキング評価にも影響を及ぼす可能性がある」と公式に発表しています。そのため、低品質なページは早期に発見し、適切な対策を講じることが重要です。
低品質コンテンツが大量に存在すると、検索エンジンのクローラーが重要なページを適切にクロールできなくなる可能性があります。Googleのクローラーは、各サイトごとにクロールできる上限を設けており、すべてのページを均等にクロールするわけではありません。そのため、不要なページが多いと、重要なページのクロールが後回しになり、新規ページのインデックスが遅れたり、リライトした記事が反映されにくくなったりするリスクがあります。
サイトの健全な運用のためには、低品質コンテンツを削除やnoindex設定にして、無駄なクロールを減らすことが重要です。適切なサイト構造を維持し、クローラーが優先すべきコンテンツを効率よく巡回できるよう対策を講じる必要があります。
Googleは、ウェブマスター向けガイドラインに違反する低品質コンテンツに対して、手動ペナルティを課すことがあります。これは、アルゴリズムによる自動的な評価とは異なり、Googleの担当者が直接サイトを評価し、違反が確認された場合に実施される対策です。
Googleが手動対策を適用すると、特定のページやサイト全体が検索結果から除外されます。この状態が続くと、アクセスが激減し、ビジネスに大きなダメージを与える可能性があります。
手動ペナルティを受けると、Googleサーチコンソールを通じて通知が届きます。ペナルティから回復するためには、違反箇所を修正し、「再審査リクエスト」を提出する必要があります。回復には時間と労力を要するため、日頃からガイドラインを遵守したサイト運営を心がけることが重要です。
参考:手動による対策レポート – Search Console ヘルプ
低品質コンテンツを特定するには、サーチコンソール(Google Search Console)やGA4(Google Analytics 4)のデータ分析が有効です。検索パフォーマンスの低下、高い直帰率、短い滞在時間などの指標から、問題のあるコンテンツを発見できます。ここでは、具体的な分析方法について解説します。
Google Search Consoleを活用すれば、ページのインデックス状況から、検索結果に反映されていない低品質コンテンツを特定できます。
Google Search Consoleの左サイドバーにある「インデックス」から、「ページ」をクリックすると、ページのインデックス状況が確認できます。なかでも、「クロール済み-インデックス未登録」のページは、Googleからインデックスする価値がないと判断されているページです。
対象のページを全て確認し、低品質コンテンツに当てはまる場合は、原因を特定して改善する、削除するなどの対策を講じましょう。
GA4では、サイト内のページごとのアクセス状況を分析し、ほとんど閲覧されていないページを特定できます。アクセスがないページは、ユーザーにとって価値が低い、または検索エンジンに評価されていない可能性があり、低品質コンテンツに該当する場合があります。
まず、GA4で「エンゲージメント」から「ページとスクリーン」レポートを開き、ページごとの「ユーザー数」や「セッション数」を確認します。アクセスが極端に少ないページは、コンテンツの質に問題がある可能性が高く、優先的な改善対象となります。
低品質コンテンツを発見したら、それらのページを適切に対処していきましょう。主な対処方法は、以下の通りです。
このように、様々なアプローチがあります。状況に応じて適切な対策を選択し、サイト全体の品質向上を目指すことが重要です。さらに、詳しく解説します。
リライトとは、既存の低品質コンテンツを修正し、より高品質なコンテンツへと作り変えることを指します。ユーザーの検索意図やニーズを反映しながら、独自の調査データや専門家の意見、具体的な実例を追加することで、コンテンツの深みと信頼性を高められます。
Googleは「ユーザーにとって価値のあるコンテンツ」を高品質と判断するため、リライトを積極的に行うことで、検索順位の向上やサイト全体の評価アップにつなげることができます。また、定期的なリライトを実施することで、ユーザーの検索意図に応える最新の情報を提供し続けられるため、ユーザーにもGoogleにも評価されるコンテンツを維持できるでしょう。
改善の見込みがない、または価値の提供が難しいコンテンツは、思い切って削除することも検討しましょう。特に、古い情報や重複コンテンツ、アクセスの少ないページは、削除することによってサイト全体の品質向上につながる可能性があります。削除後は適切な404ページを表示するか、関連ページにリダイレクトすることが推奨されます。ただし、削除が必ずしも最善の策とは限らないため、各コンテンツの価値を慎重に評価し、最適な対応を選択することが重要です。
重複コンテンツが複数存在する場合、canonicalタグを使用して正規のURLを指定します。これは、検索エンジンに「このページを評価対象としてください」と伝えるHTMLタグであり、ページ評価の分散を防ぎ、SEO効果を高める役割があります。
例えば、A・B・Cの3つのページが同じ内容だった場合、canonicalタグをAに設定すると、GoogleのクローラーはBとCを巡回した際にも「Aのページを評価対象」と認識します。これにより、重複コンテンツによるペナルティを回避し、被リンク評価が適切に集約されるため、検索順位の安定化や向上が期待できます。
canonicalタグを正しく実装することで、クローラーが迷わず適切にインデックスし、意図したURLを正しく評価してもらえるようになります。SEOの最適化を図るためにも、重複ページがある場合は適切に設定しましょう。
noindexタグとは、Googleのクローラーに対して「このページを検索結果に表示させない」ことを指示するHTMLタグです。これを設定することで、検索エンジンに不要なページや重複コンテンツがインデックスされるのを防ぎ、ペナルティを回避できます。例えば、内容が重複するページや、一時的に公開しているテストページにnoindexを適用すれば、検索結果に表示されなくなります。ただし、noindexを設定してもGoogleのクローラーはページを巡回するため、低品質コンテンツと判断される可能性があるものは削除を検討するのが望ましいです。
また、低品質コンテンツをすぐに改善できない場合、応急処置としてnoindexを設定し、インデックスから除外することでペナルティを免れることも可能です。その後、リライトや改善が完了したら、noindexを解除し、検索エンジンに再評価してもらうのが理想的な運用方法となります。noindexは重要なページを誤って設定しないように慎重に運用し、定期的に設定状況を確認することも大切です。
質の高いコンテンツを継続的に作成するためには、組織的な取り組みと明確な基準が必要です。チーム全体で品質基準を共有し、定期的なレビューと改善を行うことで、低品質コンテンツの発生を防ぐことができます。低品質コンテンツを作らないためのコツをまとめるので参考にしてください。
コンテンツの品質を維持・向上させるためには、明確な審査基準と承認フローを確立し、品質管理を担当するチームや担当者を配置することが重要です。特に、コンテンツディレクターを設置し、ライターとメディア担当者の間に立って進行管理や構成作成、原稿の編集を担当することで、記事の品質が向上します。
また、ページ同士の関連性を考慮した適切な構成を設計し、サイト全体のコンテンツ戦略を統一することも重要です。定期的な研修や情報共有を行い、チーム全体のスキル向上を図ることで、一貫した品質の維持が可能になります。外部ライターを活用する場合も、同様の基準で管理することが求められます。
コンテンツの品質を安定させるためには、質の高いライティングマニュアル(レギュレーション)を用意しましょう。。具体的な例示や禁止事項、推奨される表現などを詳細に記載することで、ライター間の認識のずれを防ぎ、一定以上の品質を維持できます。
特に外注ライターを活用する場合、してほしいことを事前に明確に伝えることが、低品質コンテンツを防ぎ、成功につながる鍵となります。ライターのスキルだけでなく、指示内容の明確さが成果を左右するため、適切なマニュアルの整備が欠かせません。
コンテンツの質を向上させるためには、ターゲットキーワードに対するユーザーの検索意図を深掘りし、それに応える情報を提供することが重要です。ただ単に情報を羅列するのではなく、検索ユーザーが本当に求めているものを想像し、それを満たす独自のコンテンツを作成することで、記事の差別化にもつながります。
検索意図を深掘りするためには、まず記事の目的を明確にし、対策キーワードと関連キーワードを調査しましょう。競合分析や実際の検索結果の調査、ユーザーの行動データなどを参考に、より価値のある独自のコンテンツを作成できます。、検索意図を徹底的に考えることで、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供し、低品質コンテンツを避けることができます。
コンテンツに独自の調査データや専門家へのインタビュー、実体験に基づく情報などを取り入れることで、他のサイトにはない独自の価値を提供できます。また、画像、図表、動画などのマルチメディアコンテンツを効果的に活用することで、ユーザーの理解を深め、満足度を高めることも可能です。オリジナルの事例や具体的なデータを盛り込むことで、コンテンツの信頼性と有用性が向上します。
オリジナルコンテンツについては、下記記事でも詳しく解説しています。
オリジナルコンテンツとは?作り方やSEOにおける独自性を解説>>
既存コンテンツの定期的な見直しと更新は、品質維持のために欠かせません。古くなった情報の更新、新しい情報の追加、リンク切れの修正を行い、常に最新で価値のある情報を提供できるようにしましょう。
アクセス解析データを活用し、ユーザーの滞在時間や離脱率、検索クエリなどを分析することで、改善すべきポイントを明確にできます。ユーザーフィードバックの反映や、SEO評価を高めるための最適化も継続的に実施し、コンテンツの品質を維持・向上させましょう。
低品質コンテンツは放置することで、SEOへ深刻な影響を与え、サイト全体の評価が下がるリスクがあります。クローラビリティの低下だけでなく、最悪の場合、Googleの手動ペナルティの対象となり、検索結果に表示されなくなる恐れもあります。
そのため定期的なコンテンツチェックを行い、、問題のあるページを早期に発見し、適切に対処することが重要です。
また、新規コンテンツ作成時には、品質基準を明確にし、ユーザーファーストの視点で作成することで、低品質コンテンツの発生を未然に防ぐことができます。この記事を参考に、コンテンツの質を向上させ、サイト全体の価値を高めることで、長期的に安定したSEO評価を得られるよう取り組みましょう。