広告ランクとは?リスティング広告の掲載順位を決めるオークションも解説

リスティング広告の表示順は、「広告ランク」によって決まっており、広告ランクを上げることで広告が上位表示しやすくなります。

しかし、広告ランクって?上げる方法は?広告ランクを上げるメリットは?とお悩みの方もいるのではないでしょうか?

そこでこの記事では広告ランクについて、オークションの仕組みと合わせて詳しく解説します。

この記事でわかること

  • 広告ランクは広告の掲載順位を決める重要な数値
  • オークションによって広告の掲載順位が決まる
  • 広告ランクは入札単価×広告の品質+広告表示オプションで決まる
  • 広告ランクを理解しPDCAを回すことが重要

広告ランクとは

広告ランクとはリスティング広告において、広告の掲載可否や掲載順位を決定するために使用される数値です。

リスティング広告は、オークションによって掲載順位が決まります。その際に使用される数値が広告ランクで、高いほど検索結果の上位に表示される可能性が高くなります。

広告ランクが上がると、以下のメリットがあります。

  • 検索結果の上位に表示される
  • クリック率(CTR)が上がる
  • 費用対効果が上がる
  • ブランド認知が上がる

広告ランクが高いほど上位に表示され、ユーザーの目に留まりやすくなるため、クリック率の向上が期待できます。

広告ランクが高ければ、入札単価が低くても上位に表示される可能性が高くなるため、1クリックあたりのコストが抑えられ、費用対効果も高くなります。

また、広告が上位に表示されることでユーザーの認知度が高まり、ブランド力の向上にも繋がります。

参考:Google広告 ヘルプ 広告ランク

広告オークションの流れ

リスティング広告は広告オークションによって掲載順位が決定し、ユーザーが検索するたびに行われます。

広告オークションが開催されるごとに広告ランクが算出され、掲載順位に影響します。流れは、以下の通りです。

  1. ユーザーが検索語句(クエリ)を入力したらオークションが始まる
  2. 配信対象を確認
  3. クエリと広告に登録したキーワードの関連性を確認
  4. クエリと広告文を確認
  5. クエリとランディングページとの関連性を確認
  6. 掲載広告決定

例えば、「30代」「女性」が「子供服」と検索した場合、配信対象を30代以上、女性と設定していれば掲載規準を満たしており掲載対象となります。

配信対象は広告主によって「国・地域」「年齢」「曜日・時間帯」「デバイス」「リマーケティング」などさらに細かく設定することもでき、設定した配信対象外の場合は広告が掲載されません。

次に、広告に登録したキーワードが検索クエリと関連性があるのかを確認します。この場合登録したキーワードが「子供服」の場合は配信対象になります。さらに広告文やランディングページとの関連性を確認し、広告ランクを算出して掲載順位が決まります。

ユーザーが検索するたびに、瞬時にこれらの流れで広告オークションが行われ、掲載広告が決定します。

参考:Google広告 ヘルプ 広告オークション

広告ランクを決める要素

広告ランクは1つの要素で決まるのではなく、主に以下の3つの要素によって決まります。

  • 入札単価
  • 広告の品質
  • 広告表示オプション

さらに3つの要素のほかにも、広告ランクの下限値やオークションの競争力、ユーザーが検索に至った背景(コンテキスト)など様々な要素に基づき算出され、オークションのたびに変動します。

広告ランクを決める主な3つの要素を、以下の計算式で算出した数値が広告ランクです。

広告ランク=広告の品質×入札単価+広告表示オプション

これらの3つの要素を理解し、高めていくことで広告ランクを上げることができます。それぞれ、詳しく見ていきましょう。

参考:Google広告 ヘルプ 広告ランクについて

入札単価

入札単価は、広告を1回クリックされるごと(クリック単価)に支払える最大値です。入札単価は、広告主が設定できます。なお、広告ランクに関係する入札単価は広告グループの入札単価ではなく、キーワードごとの入札単価です。

入札単価は最大値のため、実際のクリック単価は入札単価よりも低くなる可能性があります。例えば、入札単価を100円に設定するとクリック単価が100円以上になることはありません。

入札単価が高いほど、掲載順位が上がる可能性も高くなりますが、単純に高ければ良いということでもありません。入札単価を高くしすぎると、予算よりも広告費用が大きくなりすぎ、費用対効果が悪くなる恐れがあるためです。

かといって、コストを抑えるために入札単価を低くしすぎると、広告が表示されず機会損失に繋がります。そのため、入札単価は広告のターゲットや相場を考慮して、慎重に決める必要があります。

3つの要素の中では、唯一広告主が自由に設定できる項目のため、予算とのバランスを取りながら設定することが重要です。

広告の品質

広告の品質は、広告の関連性、クリック率、ランディングページの関連性と利便性の3つの要素によって評価されます。

要素内容
広告の関連性検索キーワードと広告文の関連性の高さ
クリック率広告の推定クリック率やコンバージョン率の推移
ランディングページの関連性と利便性広告をクリックしたユーザーが到着するページと、検索キーワードや広告文の関連性の高さランディングページの利便性の高さ

つまり、広告をクリックしたユーザーが、どの程度表示された広告に満足できたかを推定したものが広告の品質です。広告の品質は、品質スコアとして1~10の10段階で評価され、広告の管理画面からキーワードごとに確認できます。

品質スコアが高いほど、広告が表示されやすくなり、クリック単価を抑えることもできます。そのため費用を抑えて広告の効果を上げるためには、品質スコアの向上が欠かせません。

品質スコアを上げるためにはクリック率の向上、キーワードにあった広告文の作成、ランディングページの充実などが有効です。ユーザーの検索クエリにマッチした広告文を作成する、ランディングページを使いやすくするなどユーザー目線に立った対策をしましょう。

しかし、品質スコアにおいて全ての項目で満点を目指すのは簡単ではありません。そのため、実務においては6~7程度のスコアを維持するのが得策です。

参考:広告の品質について – Google 広告 ヘルプ

広告表示オプション

広告表示オプション(広告アセット)は、広告文とは別に画像や電話番号、住所などを追加できる機能です。広告表示オプションは設定しなくても配信できますが、設定することで広告の利便性が向上し広告ランクに良い影響を与えます。

2024年8月現在、以下10種類の広告表示オプション(アセット)があります。

アセット内容目標
住所アセット住所、通話ボタン、ビジネス情報ページへのリンクを表示できる来店して購入する顧客を増やす
電話番号アセット電話番号や通話ボタンを表示する問い合わせを増やす
サイトリンクアセットWebサイトの特定ページに直接誘導するリンクを表示できるWebサイトでのコンバージョンを増やす
コールアウトアセット「無料配送」や「24時間カスタマーサポート」などの情報を追加できるWebサイトでのコンバージョンを増やす
構造化スニペットアセットユーザーにとって重要な情報が表示されるWebサイトでのコンバージョンを増やす
価格アセット商品やサービスの価格を表示できるWebサイトでのコンバージョンを増やす
画像アセット商品やサービスの画像を表示できるWebサイトでのコンバージョンを増やす
プロモーションアセット通常のテキスト広告にセールや特典に関する情報を追加できるWebサイトでのコンバージョンを増やす
アプリアセットモバイルアプリやタブレットアプリへのリンクを表示できるアプリのダウンロード数を増やす
リードフォームアセット広告に情報を送信できるフォームを表示できるユーザーに情報を送信してもらう

参考:Google広告 ヘルプ アセットについて

広告表示オプションを設定することによって、表示される情報が増える分広告枠が大きくなるため、広告の視認性が高まりクリック率の向上が見込めます。

さらに広告を見るだけで様々な情報を得られるため、CVRの向上も期待できます。広告ランクの向上のためだけでなく、広告の利便性が上がる点からも設定するのがおすすめです。

まとめ:広告ランクを理解して広告の改善に活かそう

広告ランクは、広告の掲載可否や順位を決定するための重要な数値です。広告オークションのたびに様々な要素によって決定し、毎回変動します。

広告ランクは主に、入札単価と広告の品質、広告表示オプションの3つの要素によって決まります。そのためすぐに広告を掲載する必要がある場合は、入札単価を上げることで対処できます。

しかし、入札単価を上げ続けると、クリック単価が上がり費用対効果が悪くなります。そこで、広告の品質を上げる、広告表示オプションを活用するなどの対策が必要になります。

広告の改善はすぐに達成できるものではなく、継続してPDCAを回していくことが重要です。広告ランクの仕組みを理解し、ユーザー目線を意識することで最適な広告戦略を立てられるでしょう。

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