クリック数の最大化とは?利用すべき状況やメリットも解説

Google広告の運用で、思うようにWebサイトへの流入数を増やせず、お悩みではありませんか?

手動での入札調整に限界を感じ、もっと効率的に集客したいと思ったら、Google広告の自動入札戦略「クリック数最大化」を活用するのがおすすめです。

この記事では、クリック数最大化の仕組みから、メリット・デメリット、効果的な活用方法まで、初心者の方にもわかりやすく徹底解説します。

さらに、クリック数最大化があなたのビジネスに適しているか判断するためのポイントも紹介します。最後まで読んで、自社の広告運用に役立ててください。

【この記事でわかること】

  • クリック数最大化の仕組みと設定方法
  • メリットとデメリット
  • クリック数最大化が効果的な状況
  • クリック数最大化を成功に導く5つのポイント

クリック数の最大化とは

Google広告のクリック数の最大化とは、設定した予算内で、Webサイトへの訪問数(クリック数)を最大限に増やすことを目的とした自動入札戦略です。

この戦略を活用することで、Googleの機械学習が、過去のデータやユーザーの検索行動などを分析し、クリックされる可能性が高いと判断したユーザーに広告を優先的に表示します。

クリック数の最大化を活用すれば、手動で入札単価を調整する手間が省け、効率的にWebサイトへの流入を増加させることが可能です。クリック数の最大化は、特にブランド認知度の向上や、キャンペーン開始初期に多くのデータを収集したい場合に効果的です。

ただし、クリックの質、つまりコンバージョンに繋がるかどうかは最適化されません。そのため、「クリックは増えたけれど、コンバージョンに繋がらない」というリスクがあることも理解しておく必要があります。

参照:Google広告 クリック数の最大化

クリック数最大化の仕組み

クリック数の最大化は、Googleの機械学習が過去のデータやリアルタイムのシグナルを分析し、クリックされやすいユーザーやタイミングを予測して、入札単価を自動的に調整する仕組みです。シグナルとは、ユーザーの位置情報、使用デバイス、曜日や時間帯など、様々な要素のことです。

例えば、特定のキーワードで検索したユーザーが、過去に高い確率で広告をクリックしている場合、そのユーザーが同じキーワードで検索した際に、入札単価を引き上げて広告を上位に表示させやすくします。任意で上限単価を設定することも可能なため、目標のクリック単価内でサイトへの流入数を最大限に増やせます。

このように、クリック数の最大化を活用すると、限られた予算内で最大限のクリックを獲得することが可能となります。ただし、この戦略はあくまでクリック数を最大化することを目的としているため、コンバージョン率の高いユーザーへの配信を保証するものではありません。その点を考慮した上で、効果測定と改善を繰り返していくことが重要です。

クリック数最大化の設定方法

クリック数最大化は、Google広告の管理画面から簡単に設定できます。手順は以下の通りです。

  1. Google広告の管理画面にログインし、「キャンペーン」を選択
  2. 設定を変更したいキャンペーンをクリック
  3. サイドバーの「設定」をクリックし、「単価設定」を選択
  4. 「入札戦略を変更」をクリックし、ドロップダウンリストから「クリック数最大化」を選択
  5. (オプション)「上限クリック単価の設定」で、1クリックに支払う上限額を設定
  6. 「保存」をクリックして設定完了

設定後は、Googleの機械学習による最適化が開始されます。最初はデータ収集期間となるため、数日間はパフォーマンスが安定しないこともありますが、徐々に最適化されていきます。

クリック数の最大化のメリット

クリック数最大化には、主に以下の4つのメリットがあります。

  • 運用工数を削減できる
  • 上限クリック単価を設定できる
  • 調整頻度が高い
  • 配信精度が高まる

ここでは、それぞれのメリットについて詳しく解説します。

運用工数を削減できる

クリック数最大化の大きなメリットの一つは、広告運用にかかる工数を大幅に削減できることです。手動で入札単価を調整する場合、キーワードごとに競合状況や成果状況を確認し、最適な単価を算出、設定する必要があり、手間も時間もかかります。

しかし、クリック数最大化を利用すれば、Googleの機械学習が入札単価を自動で調整してくれるため、日々の入札管理業務から解放されます。これにより、空いた時間をクリエイティブの改善や、新規キャンペーンの企画など、より戦略的な業務に充てることができ、運用の質を高めることにもつながります。

上限クリック単価を設定できる

クリック数最大化では、1クリックあたりに支払う上限額(上限クリック単価)を設定できます。自動入札では意図しない高額なクリック単価の発生リスクがありますが、上限クリック単価を設定することで予算をコントロールしやすくなります。

上限クリック単価を設定すれば、その設定金額を超える入札は行われません。「クリック数は増やしたいけれど、クリック単価は一定額以下に抑えたい」という場合に有効な機能です。ただし、上限を低く設定しすぎると広告の表示機会が減少する可能性があるため、過去のクリック単価や、競合他社の入札状況などを参考にしながら、バランスを見極めた設定が重要です。

調整頻度が高い

手動入札の場合、入札単価の調整はどんなに細かく調整しても、1日に数回程度が限界です。しかし、クリック数最大化であれば、広告オークションが発生するたびにリアルタイムで入札単価が最適化されます。

1日に数万回、数百万回といった高い頻度で調整されるため、市場環境や競合状況の細かな変化にも迅速に対応でき、常に最適な入札単価で広告を配信することが可能になります。

配信精度が高まる

クリック数最大化は、Googleの機械学習によって、過去の膨大なデータとリアルタイムのシグナルを基に、クリックされやすいユーザーやタイミングを予測します。

このシグナルの情報は膨大で、それを基に手動で入札単価を調整するのは非常に困難です。クリック数の最大化を活用すれば、手動では不可能なレベルの精度で、クリックに繋がりやすいユーザーに広告を配信することが可能になります。広告の配信精度が高まり、無駄な広告費を抑えつつ、効率的にクリックを集めることが期待できます。

ただし、配信精度を高めるためには、ある程度のデータ蓄積が必要なことも念頭に置いておきましょう。データ量が少ない場合は、機械学習の精度が十分に発揮されない可能性があります。そのため、最初の数週間はコンバージョンの減少や、クリック単価の上昇なども視野に入れておく必要があります。

クリック数の最大化のデメリット

クリック数最大化には多くのメリットがある一方、以下のようなデメリットも存在します。

  • 機械学習の期間が必要
  • コンバージョン獲得の最適化ではない
  • キーワードごとの入札調整はできない

ここでは、それぞれのデメリットについて詳しく解説します。

機械学習の期間が必要

クリック数最大化は、Googleの機械学習によって最適化されるため、十分な学習データが蓄積されるまで一定の期間が必要です。一般的に、機械学習の最適化には数週間程度の時間が必要とされており、この期間中は、クリック数が安定しなかったり、想定よりもクリック単価が高騰したりする可能性があります。

特に、運用開始直後や、大規模な設定変更後は、機械学習が新たにデータを学習し直す必要があるため、注意が必要です。この期間は、パフォーマンスが一時的に低下する可能性があることを理解した上で、中長期的な視点で運用することが重要です。

コンバージョン獲得の最適化ではない

クリック数最大化は、あくまでもクリック数を最大化するための入札戦略であり、コンバージョン獲得を目的としたものではありません。そのため、コンバージョンに繋がりにくいユーザーからのクリックが増加し、結果的にコンバージョン率が低下するリスクがあります。

「とにかくWebサイトへの流入を増やしたい」という場合には有効ですが、「商品購入や資料請求などの具体的な成果を増やしたい」という場合には、必ずしも最適な戦略とは言えません。

クリック数だけでなく、コンバージョン数やコンバージョン率などの指標も注視し、費用対効果を慎重に見極める必要があります。場合によっては、コンバージョン数の最大化など、他の入札戦略への切り替えも検討しましょう。

コンバージョン数の最大化については、下記記事で詳しく紹介しています。

Google広告のコンバージョン数の最大化とは?仕組みやポイントを解説>>

キーワードごとの入札調整はできない

クリック数最大化では、個々のキーワードごとに入札単価を調整することはできず、全てGoogleの機械学習による自動入札に一任されます。そのため、特定のキーワードで上位表示させたい場合や、逆に特定のキーワードの入札を抑えたい場合など、キーワード単位での細かな調整を行いたい場合には不向きです。

キーワードごとに細かく入札をコントロールしたい場合は、手動入札や、他の自動入札戦略を検討する必要があります。例えば、特定のキーワードからのコンバージョン率が高いことがわかっている場合には、そのキーワードだけ手動入札に切り替えるなどの対策を検討しましょう。

クリック数の最大化を使うべき状況

クリック数最大化は、以下のような状況で特に効果を発揮します。

  • 運用初期でデータを集めたいとき
  • 改善すべき課題がCPCのとき
  • ニッチ領域でキーワードが限定的なとき
  • 電話問い合わせが多い商材を扱うとき

ここでは、それぞれの状況について詳しく解説します。

運用初期でデータを集めたいとき

広告運用を開始したばかりの時期は、Googleの機械学習が学習するためのデータが不足しています。そのため、最初からコンバージョン数の最大化などのコンバージョンを目的とした戦略を使用しても、十分な効果が得られない可能性があります。このような運用初期段階では、まずクリック数最大化でWebサイトへの流入を増やし、データを蓄積することが重要です。

クリック数最大化によって、どのようなユーザーが、どのようなキーワードで検索し、広告をクリックしているのか、といったデータを効率的に集めることができます。これらのデータを分析することで、ターゲットユーザーの傾向を把握し、その後のコンバージョン最適化につなげることが可能となります。

改善すべき課題がCPCのとき

広告運用の課題がクリック単価(CPC)の高騰である場合、クリック数最大化の活用が有効な解決策となる可能性があります。手動で入札単価を調整している場合、競合状況の変化などを見落としてしまい、CPCが高騰してしまうことがあります。

クリック数最大化では、Googleの機械学習がリアルタイムで最適な入札単価を判断し、自動的に調整してくれるため、手動調整と比較して、CPCを抑えながらクリック数を最大化できる可能性が高くなります。

ニッチ領域でキーワードが限定的なとき

ターゲットとする市場が非常に狭く、検索ボリュームの大きなキーワードが少ない場合、クリック数最大化が効果的です。

手動入札では、限られたキーワードの中で、細かく入札単価を調整する必要があります。しかし、クリック数最大化を活用すれば、Googleの機械学習が、ニッチなキーワードでもクリックに繋がりそうなユーザーを自動的に見つけ出し、広告を表示してくれます。

これにより、手動ではリーチできなかった潜在顧客にもアプローチすることが可能となり、限られた市場の中でも、効率的にWebサイトへの流入を増やすことが期待できます。

電話問い合わせが多い商材を扱う時

電話問い合わせが主なコンバージョンとなる商材を扱っている場合、クリック数最大化によってWebサイトへの流入を増やすことが、間接的に問い合わせ増加に繋がる可能性があります。

例えば、リフォーム、修理サービス、法律相談など、緊急性が高かったり、複雑な説明が必要だったりする商材では、ユーザーはWebサイトで情報収集をした後、電話で直接問い合わせる傾向があります。

このような場合、まずクリック数最大化でWebサイトへの入り口を広げ、電話番号を目立つ位置に配置したり、電話問い合わせへの導線をわかりやすく設計したりすることで、最終的なコンバージョンである電話問い合わせの増加を期待できます。

クリック数の最大化を利用する際のポイント

クリック数最大化の効果を最大限に引き出すためには、以下のポイントを押さえて運用することが重要です。

  • レスポンシブ広告を充実させる
  • 広告表示オプションを適切に設定する
  • 配信キーワードを絞り込む
  • 完全一致とフレーズ一致を使う
  • エリアやデバイスの入札比率調整を行う

ここでは、それぞれのポイントについて詳しく解説します。

レスポンシブ広告を充実させる

クリック数最大化を利用する際は、クリックする土台となるレスポンシブ検索広告を充実させることが大切です。クリック数最大化と組み合わせることで、様々なパターンの広告をテストしながら、最もクリックされやすい広告を配信できるため、クリック数の最大化に繋がります。

より効果を高めるためには、広告見出しと説明文をできるだけ多く、かつ訴求力の高いものを登録することが重要です。また、定期的にパフォーマンスを確認し、効果の低い広告見出しや説明文は、新しいものに差し替えるなどの改善を行いましょう。

リスティング広告の広告文作成のコツについては、下記記事で詳しく解説しています。

リスティング広告の効果的な広告文作成のコツ!具体的な訴求軸や改善方法も解説>>

広告表示オプションを適切に設定する

広告表示オプションを適切に設定することも、クリック数最大化の効果を高めるために有効です。広告表示オプションを設定することで、広告の占有面積が広がり、視認性が向上するため、クリック率の向上が期待できます。

また、ユーザーの利便性を高めることにも繋がり、結果的にクリック数の増加に貢献します。例えば、電話問い合わせが多い商材であれば、電話番号表示オプション、実店舗への来店を促したい場合は、住所表示オプションなどを設定すると良いでしょう。自社のビジネスや目標に合わせて、適切なオプションを選択し、設定することが重要です。

参照:Google広告 アセットについて

配信キーワードを絞り込む

クリック数最大化を利用する際には、ある程度配信キーワードを絞り込むことが重要です。クリック数最大化は、設定した予算内でクリック数を最大化する入札戦略ですが、広範囲のキーワードで配信してしまうと、予算が分散され、本当にクリックを集めたい重要なキーワードに十分な予算が投下されなくなる可能性があります。

そのため、過去のデータなどを分析し、コンバージョンに繋がりやすいキーワードや、自社のビジネスとの関連性が高いキーワードを厳選して配信することが重要です。本当に必要なキーワードを洗い出し、優先順位をつけて配信を行いましょう。

完全一致とフレーズ一致を使う

クリック数最大化では、キーワードのマッチタイプを「完全一致」と「フレーズ一致」に設定することで、より精度の高いターゲティングが可能になります。

部分一致では、広告の表示回数が増えるため、本当に表示したい重要キーワードに広告が表示されない可能性があります。

完全一致は、登録したキーワードと完全に一致する検索語句にのみ、フレーズ一致はある程度類似した検索キーワードにも広告が表示されるため、「コンバージョンに繋がりやすい、かつ、ある程度の配信数も見込める」という点で、クリック数最大化と相性が良いマッチタイプと言えます。

参照:Google広告 キーワードのマッチタイプについて

また、キーワードの選定方法については、下記記事でも詳しく解説しています。

リスティング広告のキーワード選定方法を解説!マッチタイプや改善方法も紹介>>

エリアやデバイスの入札比率調整を行う

クリック数最大化では、エリアやデバイスごとに入札比率を調整することも可能です。例えば、あらかじめ特定の地域からのクリック率が高いことがわかっている場合は、その地域への入札比率を高めに設定することで、より多くのクリックを獲得できる可能性があります。

同様に、特定のデバイスからのクリック率が高いことがわかっている場合にも、そのデバイスへの入札比率を高めに設定することで、クリック数の増加が見込めます。

過去のデータを分析し、エリアやデバイスごとのパフォーマンスを把握した上で、最適な入札比率を設定しましょう。

まとめ:クリック数の最大化を用いて、効率的に運用の効果を上げよう

クリック数最大化は、Googleの機械学習がクリックされやすいユーザーやタイミングを予測し、自動的に入札単価を調整することで、設定した予算内でWebサイトへの流入数(クリック数)を最大化する入札戦略です。運用工数を削減できるだけでなく、上限クリック単価の設定や高い頻度での自動調整、精度の高い配信など、多くのメリットがあります。

一方で、機械学習の期間が必要、コンバージョン獲得の最適化ではない、キーワードごとの入札調整はできないといったデメリットも存在します。これらのメリット・デメリットを理解した上で、ポイントを押さえて運用することがクリック数最大化を成功させる鍵となります。

クリック数最大化を効果的に活用し、Webサイトへの集客力を高めたい方は、まずは自社の状況や目標に合っているかを検討してみましょう。記事内で紹介したポイントを参考に、クリック数の最大化を活用し、自社の広告運用のパフォーマンスを高めましょう。

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